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地域医療の真ん中に

ファーストエイド~家庭の応急処置~

症状別手当て

発熱

意識がはっきりしている、顔色も良い状態であれば、まずは安静にして水分を十分摂りながら様子を見ましょう。熱の出始めは悪寒(震え)が起こることがあります。その時は、体を温めるようにします。熱が上がりきってしまうと体が熱くなり、汗が出てきます。部屋を涼しくし、薄着にして様子を見ましょう。苦痛がなければ、首や足の付け根など太い血管が走行している部位を冷やしても良いです。

注 意

  • 呼びかけに反応しない、顔色が悪く、唇の色が青い、けいれんしている、尿がでないなどの症状があるときは医療機関を受診しましょう。

下痢・嘔吐

下痢や嘔吐のときは、脱水に注意が必要です。体液成分に近い水分(スポーツドリンクなど)で一口ずつ摂取しましょう。一度に沢山の水分を摂取すると、嘔吐してしまいます。水分摂取後、15 分程度様子をみて、嘔吐がなければ、再度一口摂取するようにしましょう。嘔吐した場合は15 分程度安静にして様子を観察し、嘔吐がなければ、1 口ずつ水分摂取を再開しましょう。

注 意

  • 5 ~ 6 回嘔吐してしまう時や、ぐったりして元気がない、尿がでない場合は、受診しましょう。

熱中症

暑さや熱によって体に障害が起きることを熱中症といいます。手足の筋肉に痛みが生じたり、筋肉が勝手に収縮するなどの症状から始まり、頭痛やめまい、吐き気、体のだるさ、立ちくらみなどの症状を生じることがあります。

  • ①風通しの良い日陰やクーラーが効いた室内など涼しい場所へ移動させます。
  • ②衣類を脱がせ、うちわや扇風機で風をあて、体を冷やしましょう。
  •  
  • ③首や脇の下、太ももの付け根などを氷で冷やすと冷却できます。塩分や水分を補給しましょう。
  • ④自分で水が飲めない、脱力感や倦怠感が強い、意識がないなどの症状が見られる場合は医療機関を受診しましょう。

注 意

  • 水分補給には塩分も水分も両方同時に補給できる経口補水液OS-1 などが良いでしょう。ただし、吐き気や嘔吐などがある場合は無理に飲ませることはやめましょう。

けいれん

けいれんは、脳の電気的な活動の異常によって生じる事が多く、脳の機能が一時的に障害されます。
通常、けいれん発作は2分以内に自然におさまります。

注 意

  • 発作中、発作後は多くの場合、意識がもうろうとしているので、身の周りのものでケガをしないように注意しましょう。
  • 嘔吐する事があるので体を横に向け、気道を確保しましょう。

毒物の誤飲

医薬品、化粧品、洗剤、漂白剤、乾燥剤、殺虫剤、灯油などは中毒を引き起こす危険があります。毒物をはかせたり、水や牛乳を飲ませたりせずに、医療機関を受診しましょう。その際、飲んだ時刻や毒物の種類、量についての情報が分かるようにしておきましょう。

<参考文献>
応急手当指導者標準テキストガイドライン2015 対応 応急手当指導者標準テキスト改訂委員会
編集 東京法令出版 平成28 年10 月20 日
< 監 修 >
豊田厚生病院 救命救急センター
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