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地域医療の真ん中に

DOCTOR'S INTERVIEW

救命救急センター

副院長 地域医療福祉連携部長兼救命救急センター長 水野 敬輔(中)
救急科代表部長 中島 成隆(右)
救命救急センター看護課長 福田 郁栄(左)

24時間365日“断らない救急”をモットーに、救急の患者さん全てに最善の医療の提供を目指す。それが当院の「救命救急センター」です。2022年4月から新体制のもと、西三河北部医療圏の“最後の砦”となる救急医療を担っています。

救急車受け入れ率99%を維持する“断らない救急”

当院救命救急センターが受け入れる救急車は、年間約7,800台(2021年実績)、2022年も上半期(4月~9月)で年間約4,800台を受け入れており、受け入れ率99%の実績を維持しています。
救急車で搬送される、心筋梗塞、脳卒中、交通事故、熱傷など生命の危機に瀕した重症患者さんには、各専門診療科や多職種との連携による的確な救急処置・治療が施され、重篤患者さんの管理に不可欠なICU(集中治療室)6床、ICUに並ぶ重症集中ケアができるHCU(高度治療室治療室)24床を備えています。
一方、テレビドラマでよく見かける重篤な患者さんの集中治療風景だけが、救命救急センターの日常ではありません。救急車で搬送される患者さんだけでなく、自力で「救急外来」を受診される方の中にも、緊急の対応を必要とする患者さんはいます。軽症から重症まで「救急外来」を受診される患者さんは全て“救急”であるという意識のもと、“断らない救急”をモットーに診療を行うのも当院救命救急センターの使命といえます。

救急車受入台数

応需率

「ウォークイン」に潜む重症者を見逃さない

自力で「救急外来」を受診される患者さんは、救急車で搬送される患者さんより緊急度や重症度は低いと思われがちですが、そうした「ウォークイン」の患者さんが、集中治療室での入院治療に至ることもあります。
このような「ウォークイン」に潜む重症者を決して見逃さないために求められるのが、「聞く力」、「観察力」を発揮した的確な「トリアージ」です。トリアージとは、血圧の値や呼吸の回数、体温や脈拍などの客観的な評価に加え、患者さんの反応など意識レベルの確認、患者さんの訴えを通して患者さんの緊急度を判断するもので、普通に話していた人が急変する怖さを知っている救命救急センターの救急医、看護師ならではのスキルといえます。 もし、救急外来を受診された際、待ち時間が長かったり順番が入れ替わることがあったとしても、それは一人でも多くの患者さんの命を救うための対応であることを、ぜひご理解ください。

ドクターカーによるプレホスピタル・ケアの充実

当院は「災害拠点病院」として広域災害や大規模地震にも対応し、ドクターヘリの受け入れ病院として年間10~30機の受け入れを実現しています。
さらに、新体制のもと注力しているのが、ドクターカーを活用した「プレホスピタル・ケア」の充実です。プレホスピタル・ケアとは、病院に運び込む前に救急医が現場で行う救急活動のことで、これにより患者さんの救命率を上げ、状態の悪化を防ぎます。
こうした活動が可能なのも、救急医、看護師ともに熟練の医療スタッフが充実しているからにほかなりません。また、未来の地域医療を担う研修医にとっても、救急医療の現場は生きた医療の知識・技能を修得し、使命感を醸成する貴重な場となっています。

ドクターヘリ受入数

ドクターカー出動台数

地域の医療・福祉関係者との連携で取り組む救急医療

近年、救急車で搬送される患者さんや、救急外来を受診されるウォークインの患者さんの中で見受けられるのが、生活に困窮されている方であったり、高齢者、障がい者への虐待が潜んでいると思われるケースです。こうした患者さんには医療的な処置だけでなく、メンタル面でのケアや福祉面での介入などが必要となり、豊田市消防署やケースワーカーとの連携により臨んでいます。
救急医療は地域の全ての医療機関、消防関係者、その他多くの方の協力があって初めて成り立つものです。当院救命救急センターでは、地域の病院、クリニックの皆さまとの連携を含めた強固な救急医療ネットワークの構築により、質の高い救命医療の提供を目指しています。
地域の皆さまには、今後も当院救命救急センターが24時間365日の救急医療体制を維持できるよう、日頃から健康管理を任せられる「かかりつけ医」を持ち、日中に症状がある場合は早めにかかりつけ医を受診するなど、地域の救急医療を守るためのご協力、ご理解をいただきますよう、お願い申し上げます。